ChatGPTの得手不得手
ここまで本サイトではChatGPTへの質問のコツを紹介してきましたが、ChatGPTはすべての質問に完璧に答えられる万能なAIではありません。この記事ではChatGPTの文章作成の仕組みを解説し、ChatGPTの得意なこと、苦手なことを整理します。
ChatGPTの文章作成の仕組み
ChatGPTはおよそ5兆個ともいわれる大量のテキストデータを学習し、皆さんの入力した質問を単語などのトークンに分解後、トークンをニューラルネットワーク(文章を理解するための数学的な仕組み)に渡すことで質問の文脈を理解し回答を出力します。
しかし、時には「ハルシネーション」と呼ばれる事実に基づかない情報を生成することがあります。これは学習データの不足や偏りからくるものであり注意が必要です。
以下、ChatGPTの得意なことと苦手なことを詳しく見ていきましょう。
ChatGPTの得意なこと
一般的な知識の提供
ChatGPTは一般的な知識を提供することが得意です。「Azureの基本的な知識を習得するために初学者が行うべき学習方法を教えてください。」や「AWSのFargateを利用したシステムを構築します。顧客にAWSとの責任分界点を明確にしつつセキュリティ対策を説明する場合のポイントを教えてください。」など、オープンクエスチョン形式の質問に対して幅広いトピックについて回答できます。
提案書の目次作成
例えば「提案書に記載する一般的な内容を教えてください。」と質問すると、提案書の必要な内容を適切に整理し、的確な目次を作成することができます。提案の内容や意図を理解してもらえるような構成を提示します。
文章の構造や文法のチェック
文章の推敲や文法のチェックが得意で、誤りの是正や文章の整形を行います。
推敲
メールの本文に要点を記載しておけば、あとはChatGPTが文章の推敲や整形を行います。
「以下の顧客へのメール本文を推敲してください。
○○株式会社 ▢▢様
いつもお世話になっております。
△△商事の××です。
この度は、弊社の納品ミスにより、大変ご迷惑を・・・」
ソースコードの処理
「以下のソースコートをリファクタリングしてください。」や「以下のソースコードを検証するためのテストコードを作成してください。」、「以下のソースコードを解説してください。」というプロンプトの後にソースコードを記述すると目的に沿った回答をしてくれます。
リファクタリングやテストコードの作成、ソースコードの解説など、プログラム関連の質問にも優れた回答ができます。
要約
ChatGPTは文脈を理解できるため、長い文章を要約させるのに向いています。要約させる場合もコツがあり「以下の文章を100文字以内で要約してください。」や「以下文章の要点を箇条書きそれぞれ50文字以内でまとめてください。」など制限を設けることで回答の質が飛躍的に向上します。
翻訳
ChatGPTは与えられた文章を要約することで元のテキストの要点を抽出し、重要な情報を保持しながら冗長性を削減後に翻訳します。翻訳の際に文法や表現を修正することで、より自然な文章に仕上げることができます。翻訳は要約と推敲というプロセスを同時に行っています。
議事録作成
会議の内容を要約し、指定されたフォーマットで議事録をまとめることができます。ChatGPTのプロンプトはトークン数に上限があるため、長い会議の議事録を作成する場合は議事メモを完結にまとめておく必要があります。
「最後の議事メモを元に以下のフォーマットで議事録を作成してください。
#会議名
#開催日時
#開催場所
#出席者
#会議の目的
#議題
#決定事項
#課題・TODO
#次回のスケジュール
議事メモ
○○プロジェクトのキックオフミーティングを開催した。
本プロジェクトは我が社主力商品▢▢の10年ぶりリニューアルのため、企画・制作・開発それぞれの観点でアイデアを出し合いブレストしたい。
(■■)○○の過去3年間の売上推移より・・・
(▲▲)▢▢のデザインが陳腐化して・・・
(●●)機能としては充分と感じていてリニューアルで新規機能の開発までは必要ないと・・・」
ChatGPTが苦手なこと
個別の専門知識
ChatGPTは一般的な知識を持っていますが、特定の専門分野に関する詳細な情報の正確性は保証できません。特に専門的な分野では、情報の裏づけとしてGoogle検索や専門家の意見を参考にする必要があります。
人間の感情に関する理解
ChatGPTは人間の感情を理解していません。感情に関する回答は慎重に確認し、必要に応じて人間が対応する必要があります。
個人情報の提供
ChatGPTは個人に関するプライベートな情報や具体的な個人のアカウントに関する情報を提供することはできません。
著作権の保護
ChatGPTの回答が著作権を侵害しているかどうかは人間が慎重に確認する必要があります。OpenAIはオプトアウトのシステムを導入していますが、完全な保証はできません。
以上がChatGPTの得手不得手に関する詳細です。これらの特性を理解した上で、ChatGPTを適切に活用することが大切です。質問内容や文脈によっては、ChatGPTの回答には注意が必要な場合があります。信頼性を高めるために、適切な情報裏づけや人間の判断を加えることが重要です。